下駄貫の死―鎌倉河岸捕物控 (ハルキ文庫 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2004年6月1日発売)
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感想 : 9
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第7作~松坂屋の大旦那・松六と金座裏のお上と,しほが伊香保に湯治に出かける見送りの板橋の場で,女殺しが起きた。店に帰らなくてはならない清蔵は未練が残るが,殺された女の残した「くらまえ」という言葉を手掛かりに,御蔵前の探索の邪魔になると考えてはいるが気が気でない。「くらまえ」は薬種問屋の鞍前で,縄張り外の赤坂だったが,剣術道場へ通う政次が他の下っ引きの先回りをして,手掛かりを掴んだのだった。彦四郎の奉公先・綱定の墓参りに出かけた先で,船宿の女将さんの姿が消えたが,亮吉と政次が行き先を突き止め,宋五郎が乗り込んで決着をつける。彦四郎がもたらした古碇が盗まれる怪事は,うぶけ抜き作りの職人が,親の代で失った旅籠を取り戻そうと,高名な師匠の刻印を使ったものだった。十代の餓鬼が匕首をひけらかして野菜売りの婆から金を奪ったのは金座裏の目の前で,エスカレートした連中は板橋の岡っ引きを刺し,次は千住だと読んだ金座裏の裏を掻き,内藤新宿で裏の裏を読んだ下駄貫を刺し殺した。下駄貫は政次が金座裏の跡目を継ぐのを嫌がりながら手柄を立てようと焦っていたのだった。下駄貫の仇は政次が先頭に立って討ち,しほが伊香保で描いた絵から,十数年前の鮮やかな盗みの手口を思い出した宋五郎と八百亀ではあったが,実際の押し込みが起こるまでは放っておいた。政次は正式に十代目の指名を受け,竿乗り師弟が脅されていたことを知った~前作は停滞していたけど,ココで一気に進んだ。だけどさ,政次が乗り込んだ賭場で元金3両を500両以上にしてしまってはいけないだろうと思うよ。亮吉の独楽鼠というキャラが安定した。八百亀の番頭振りも

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2010年2月5日
読了日 : 2010年2月5日
本棚登録日 : 2010年2月5日

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