紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

制作 : 古沢嘉通 
  • 早川書房 (2015年4月22日発売)
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本棚登録 : 1304
感想 : 153
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めちゃくちゃ面白い……なんでもっと早く読まなかったんだ〜〜!!!!どの作品が好きか選ぶの悩むな〜〜……表題作も大好きだし、「月へ」「結縄」「文字占い師」もショックを受けたけどそれがまたすごいなと思ったし、「円弧」とか「愛のアルゴリズム」みたいな、技術の発展ゆえの悲しさみたいなものを描く設定大好きだし、「1ビットのエラー」とか「良い狩りを」とか美しすぎるし……「選抜宇宙種族の本づくり習性」とか「心智五行」とかは最初ついていけないかな?って思ったらどんどん引き込まれてしまったし……どれも選び難いけどこの本でのマイベストはやっぱり表題作の「紙の動物園」かなと思います。あんまりSF読んでないからというのもあるけど、こんなSFあるんだ!と感動してしまった。

生まれた国からの移動や、文化への興味や、職業の経験や頭の良さや、すべてが豊かに活かされているというか………プログラマーと弁護士の経験を活かすSF作家って要素盛りすぎだと思うのに活きてるんだよな〜〜………
SFって無機質なイメージがあって、クールな選ばれし人たちが「これがいいんだよ!」と熱狂しているように思っていました笑、が、なんていうか、良い意味で普通の物語のひとつなんだなと思って。人間臭い物語もあるんだなあと。

あとは、世界すべてがSF的世界にすっかり染まり、新旧の技術を持った異なる存在の断絶ではなく、同じ世界に進んだ技術があり、それを選ぶ人も選べない人も、なんなら選びたくても選べない人もいて、さらには同じ登場人物でも時によって考えや選ぶことが変わったりする描写がとても上手くて、そういう時代は実はもう来てるんだろうなと、そのある意味でのリアルさにも舌を巻いてしまいました。

他の作品も読みたい!し、ケン・リュウさんは英語圏の作家さんと言えるんだろうけど、その生い立ちや他を絡めたあとがきのおかげもあって、非英語圏の海外作品も読みたいな!あとは単純にSFもっと読みたいな!と思える作品でした。めちゃくちゃ良かった!!!!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2019年8月3日
読了日 : 2019年8月3日
本棚登録日 : 2019年8月3日

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