傑作小説だと思う。時代小説を苦手としている人でも、するすると読める。そして、なんといっても清廉で勇敢な主人公が輝いていて、いきいきと生きている。時代背景がら権力争いに翻弄されるのだが、その理不尽ぶりが半端じゃない。この時代に生まれないでよかったと思うこと一回や二回に非ず。よく、武士の時代に生まれたかった、などという人がいるがこのような小説を読むと冗談じゃないと思う。しかし、その制限だらけの時代は人間の生きざまをよりドラマチックにするから不思議。主人公とおふくの違える人生なんていうのはとても切なかった。ほぼ初めて藤沢周平を読んだが、とても嵌った気がする。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年6月20日
- 読了日 : 2012年6月20日
- 本棚登録日 : 2012年6月20日
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