心臓外科の日本最先端のお一人である著者。カテゴリは医学でよいと思いますが、著者の経験談・思想が濃く盛り込まれている、ジャンル的には多岐にわたるようにも思います。
心臓外科医というだけでも十二分に非凡ですけれども、やはりこの一冊を読むと極める人というのは何と言うか、人間の出来や素材やレベルといったものが根本的に違うのかな、という感じがします。
普通の人はこんなに自分の技術や能力に自信がもてないでしょう。
でもこういう世界の人はハタから「自信過剰では」と思われるくらいのほうが安心しますね。
自信のない医者に掛かりたい患者などいませんから…。
いい言葉が随所に出てきます。
(引用)一人前になるには、ある時期に集中して1つのことを濃く、深く学ぶ経験がとても大事だと思う。
(引用)予期せぬ事態が起こっても、パニックにならずやるべきことをやる。それが出来るようになったのは、やはり経験の力が大きいだろう。
予期せぬ事態ほど、対処するには経験の力が大きいということは、ある程度生きていると確かに感じることがあります。
経験に関わる著者の格言のような言葉はまさに経験に裏打ちされてとても実感のこもった言葉たちと感じます。
装丁やタイトルなどからある程度の年齢以上の方が手に取られることが多いでしょうが、これから社会に出るような、あるいは社会人になりたての若い人にも読んでもらいたい一冊のように思います。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
医学
- 感想投稿日 : 2014年11月2日
- 読了日 : 2014年10月24日
- 本棚登録日 : 2014年10月24日
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