結構以前に出版された本ですが、今も「ずれている」と思うことが多く手に取りました。サブタイトルにもあるように出版当時対象拡大された「重度訪問介護」についての内容が重点となっていました。
しかし出版から8年経った現在でも当時とあまり支援については状況が変わっていないのではと感じられます。地方格差や支援員(介助員)の経験値や人格によるレベル差がかなりあって思うような支援を受けられていない現状があるように感じられます。
本書の内容については現場の(当時の)リアルが赤裸々と言ってもいいくらい著されていてとても参考になることや考えさせられることがありました。
特に個人的には第4章の自閉症の人とのズレについては目からウロコというか、とても衝撃がありました。これこそリアルだなと。自分も身内に自閉症の人がいますがこういう「ズレ」を認識することはなかなか難しいと思います。別の視点で事象を見るという姿勢を持たないと誤解をしたまま当事者も支援者もつらく苦しいまま過ごす状態が解決しないことがあるという発見がありました。これは思ったこともなかったので貴重な知識となりました。
まだ第5章の「ズレ」に対する考察も、とても現場的な話で支援の難しさということを考えさせられました。
内容としては決して古くなく、むしろ現在的問題点を考えさせられる一冊だと思います。知的障害/自閉の人と何らかの関わりのある人は読まれることをおすすめしたい一冊です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
社会
- 感想投稿日 : 2023年12月2日
- 読了日 : 2023年12月1日
- 本棚登録日 : 2023年12月1日
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