上と外 上 (幻冬舎文庫 お 7-9)

著者 :
  • 幻冬舎 (2007年10月1日発売)
3.73
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本棚登録 : 3020
感想 : 210
4

なんじゃこの題名は?意味わからんぞ?というのが、何しろ第一印象でしたね「上と外」って。なんなんそれ?って感じ。何を意味しとんねんこのタイトル。「下と内」じゃ、ダメなの?って感じ。で、上巻読み終えまして、題名の意味が「なるほど、そうか!!」とメカラウロコで分かったか、というと、全然そんなこと無いです。やっぱ今んとこ、意味不明です。下巻を読了したら、この題名の意味が、分かるんかしらん?気になるなあ。

で、上巻読み終えた時点での感想は、なかなか下巻が楽しみだね、って感じでございまして、早く続きを読みたいなあ、ってなもんでして、うむ。満足しております。

なんだか、ジャンル分類の難しい作品だなあ、って思います。テーマとしては、
家族の絆?みたいなん
ジャングルでのサバイバル生活
異国でのクーデターに巻き込まれた国際情勢ハラハラ冒険もの
いきなりの謎のファンタジーぶっこみ

主要登場人物は、5人?といっていいのかな?


たぶん主人公?中学生?良い奴ですね。サッカーしてるけど、ロッククライミングが一番好きらしい。

千華子
たぶんヒロイン?小学生?美人らしい。新体操をしている。

千鶴子
母親。練とは血が繋がっていない。ジョウネツテキな恋多き女みたい。42歳?


父親。千鶴子とは既に離婚している。練とは血が繋がっている。賢と千鶴子の間の子供が千華子の筈なのだが、もしかしたら違うかも?みたいな話が出ている。異国で考古学者三昧の日々みたい。

ニコ
謎の少年。マヤ人?上巻の終盤に登場。下巻でのキーパーソンかなあ、と。で、この子の登場で、物語は一気にファンタジーに舵を切った感じ。

個人的には、ニコの登場から、完璧にファンタジー路線になってきたと思うので、ちょっと残念。ガチの現実路線の話で行ってほしかったのです。

宮部みゆきの「悲嘆の門」を、最初「これって現実もの?ファンタジーもの?」って、正体つかめずドキドキしながら読んでて、途中から「ああ、ファンタジーじゃん。なーんだ」ってガッカリしたのとおんなじ心の流れでしたね。

いや、ファンタジーが悪いわけじゃないんですけれどもね、どうしても、ファンタジーになると「まあ、なんでもアリっしょ」って悪い意味で開き直ってしまう、読者としての自分がいるのですよね、、、

舞台は、これ、ブラジル?なんでしょうか?インディオの言葉で「木々の茂る場所」という名前の国。中南米?ニュースの中では、G国、って表現されてましたね。国名を出さないのは何故だろう?アメリカ、とか、日本、とかは、国名出ているのになあ。謎だ。意味があるのだろうか?

で、とりあえず、練と千華子のジャングルサバイバルの描写とか、面白かったですね。日本という国で、安全に囲まれて暮らすことが出来ている事が、なんと尊い事か、、、とシミジミ。それだけでも感謝しないと。

あと、直前に読んでいたのが、角田光代の「ひそやかな花園」だった影響もあるのですが、家族のありよう、というものも、考えさせられますね。練と千鶴子は血が繋がっていないけれども、一応は、育ての母と育てられた子の関係。練と千華子は、異母兄妹。賢は、一人だけ異国にいるから元嫁と子供二人とはほぼ会わない関係だけど、一応父であり元夫であり。

なんだか、関係性、結構希薄やないですか。それでも、この4人は、家族、という単位で、、、ある?のか?千鶴子の再々婚?話がすげえ波乱を呼んでますけど、基本的には4人、仲好さそうな理想の家族、って雰囲気もあるし、、、そこらへんの関わり、下巻でどう変わっていくんでしょうかねえ。

それにしても恩田陸。やっぱ作風、広いなあ~。色んな作品、書いてるよなあ。凄いよね、って、そこは素直に尊敬するのです。下巻、期待してますよ!って感じですね。どんな流れになるのか、どんな方向性に向かっていくのか、ホンマに全然わからん。期待してますよ!のみな感じ。しっかしホンマにこの題名、まったく意味不明だよなあ、、、

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年1月14日
読了日 : 2020年1月14日
本棚登録日 : 2020年1月14日

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