その夜の侍 [DVD]

監督 : 赤堀雅秋 
出演 : 堺雅人  山田孝之  綾野剛  谷村美月  高橋努  山田キヌヲ  坂井真紀  安藤サクラ 
  • キングレコード (2013年5月7日発売)
3.06
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本棚登録 : 481
感想 : 107
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アレでしたね。「考えるな!感じろ!!」系の映画でした。うん。いやあ、わからんかったなあ~。サッパリでござった。でも、このヒリヒリする感じの映像、バリ好きです。ざらついてるなあ~、って感じ。「こういう感じ」の映像は、もう本当に好きなんですよねえ。でも話としては、さっぱりワヤ、でしたなあ。

堺雅人&山田孝之のW主演、ということで良いのかしら?脇を固めるのは新井浩文に綾野剛に、でんでん、田口トモロヲ。チョイ役としては安藤サクラ、坂井真紀。主題歌はUA。うーむ。超豪華やん。「こういうの」が好きな人には、なにしろ堪らないラインナップだと思いますですね。で、俺は「こういうの」は、まあ、大好物なんですよね。なにをもって「こういうの」を指すのか?というのは、なんとも言い難い。ま、とりあえず「こういうの」としかね、言いようがないのだ、、、すまん。

映画全体に漂う、なんらかの「狂ってる感」は、間違いなくあると思うんですが、、、ちょっと失礼な言いかたをしちゃいますと、エンジョイ系狂ってる感、なんちゃって狂ってる感、かなあ?という気はしましたね。

うん、失礼な言いかたします。「この、こんな感じの狂ってる感、かっこいいでしょ?こんな雰囲気出せる俺って、結構、いいでしょ?」ってね、正直ね、監督さんが思ってるんじゃねえかなあ?ってね、勝手に感じました。ええ、僕が勝手に。そんな事を意識されてないのかもしれないんですが、僕は思っちゃったんだから、仕方ない。すみません。

なんだろうなあ。たとえば、北野武監督「その男、凶暴につき」や、黒沢清監督「CURE」や、トビー・フーパー監督「悪魔のいけにえ」とかの狂気も、計算されている、とは思うんですが、あっちの方が、なんらかの剝き出しの「トンでもなさ」がね、あると思うんですよね。

映画として存在している以上、あれらの作品に焼き付いている狂気は、絶対に計算されている筈、だと思うんですよ。でも、その計算された中にもそれでも、どうしても計算から外れたであろう、マジモンのなんらかの「狂ってる感」が、どうしてもこう焼き付いちゃってて、それに私は、どうしても心動かされる、心ふるわせられる、訳なんですよね。自分が勝手に感じるだけなんですが。

で、この作品には、そうした「計算の狂気を超えた、なんらかの無自覚の狂気の美しさ」みたいなもんは、すみません。あくまでも僕は、あんま感じませんでした。「あ、狙ってる狂ってる感だけだね」って感じで。めっちゃ生意気なこと言って、ごめんなさい、なのですが。赤堀監督マジごめんなさい、って感じなのですが。でも俺はそう思っちゃったんです、すみません。

山田孝之が、多分友人の綾野剛の家で田口トモロヲを監禁して、「俺の悪い噂流したのおまえだろ?吐けよ!」って拷問するやないですか。あっこで、狂気演出の手段として、山田孝之が田口トモロヲに灯油をぶっかけて火をつけようとする、みたいなシーンがね、あったんですよ。アレはねえ、実は、個人的には醒めちゃいました。

「部屋の中で灯油はぶっかけねえだろう。アレをやるとしたら、どう考えても屋外だろう。だってあっこでトモロヲ燃やしたら、家の中でっせ?超迷惑じゃん色んな方面に。あ、ポーズだなコレ」ってね。思っちゃったんだよなあ~俺は。どうしても。ああいう場面は、俺は、なんちゃって狂ってる感、だとね、思ってしまうんですよね。どうしても。

あと、最終盤の最終盤、この映画の一番の見せ場であろう、台風の大雨の中での屋外での堺雅人と山田孝之の、とっくみあいの喧嘩も、うーん。正直。コントだな、って。包丁捨てるのとかね、あのコメントとかね。うーん。長回しのコントをとりたかったんだろうな、コメディーだな、ってね、思いましたね正直。

「その夜」って、どの夜だったんだろう?「侍」って誰?とか思いました。さっぱりまあ、チンプンカンプンですね。フィーリングだけは伝わった!ってところですかね。

山田孝之はバンバンにクズ人間を演じてましたが、結局、偶然でひき殺しちゃった坂井真紀以外は、結局は殺してないんですよねえ。となると、モンスターまでは行っていない的な?でもあんな人間が世の中に普通に存在するのかもなあ、って思うとマジ困っちゃう。

田口トモロヲは綾野剛は、なんでアレと友達付き合いできてたんだ?あと新井浩文も、アッコまでボコられたら、普通、警察に通報するだろう、、、あと、最終盤。あの泥まみれのシャツ、普通は着替えるでしょうよ、どう考えても、って思いましたね。

堺雅人の狂った演技は好みです。ああいうの、好き。でも、なんというかなあ、、、ああなっちゃったのが、妻を轢き逃げされて殺されちゃったから?ではない気がする。妻が生きてる時からプリン中毒だったし、アレで良く工場の部下連中とコミュニケーション取ることできたよなあ。

あと、山田孝之の朝昼夜ご飯キッチリとメモるほど、あんだけストーカーしててなんで工場は通常営業できてるんだ、、、でんでんが、工場維持、頑張ってたんだね?でんでん、エエ奴やなあ、、、

監督の赤堀雅秋さんは、映画畑の人ではなくて、演劇畑の人っぽいですね。そうだったのか~。なんというか、「こういう映像」ってのは、どう考えても好みです。で、話としては、ホンマにピンと来なかったんですが、ま、他の作品、ちょっと観てみたいな、って思わせる何かは、間違いなくあるな、って思いました、、、ので、他の作品も、みたいですね。ええ、観たいですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年3月16日
読了日 : 2021年3月16日
本棚登録日 : 2021年3月16日

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