バチカン奇跡調査官 原罪無き使徒達 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2015年3月25日発売)
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感想 : 74
5

2015年6月29日読了

前回に引き続き、純粋な奇跡調査で安心して読めた。
舞台が日本・天草で隠れキリシタンというのは非常に魅力的であり、様々な話でもモチーフにされるあの暗号がバチカン式に解明されていくのがすごく良かった。
隠れキリシタンの信仰の純粋さに胸打たれるロベルトの姿が印象的。信仰という存在の確かさみたいなものを目の当たりにすると、ロベルトは本当にまっすぐに受け止めて羨む姿が素敵。こうやって徐々に彼らしい信仰を見つけていって欲しいな。ロベルトは割と受け入れるという姿勢が平賀以上にあるんじゃないかと思う。
久々に平賀の天然の危うい部分が出て、ロベルトが心配するという構図があって可愛らしい。あと、普段は全てロベルトが先導するのに対し、今回は言葉の問題の為に平賀が「私も出来るんですよ!」と何だか可愛らしいえばりんぼっぽさを出していてめちゃ可愛いかった。
言葉通じない割にはロベルト大活躍だし、円盤の謎をすいすい解いていってしまうには感服。人質にしてはいけない人材だよね、ロベルトは。

途中に出てきた日本神話におけるお話は非常に興味深く、それが現在に繋がっているのがなんとも日本的。いつも各国の土着の思想などが用いられていたりもしたので、今回はそういう部分になるのか…と思った。

今回の主犯に当たる彼らは本当に信仰の為にあんなことをしたのか、それとも背後に影があるのか…妙に勘繰ってしまうところではある。行方が知れないのが怖い。
そして、安東神父がロベルトとの対話で気持ちを揺さぶられ、最後に気持ちの変化があったのならば、それはすごく良かったなって思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  ├ バチカン奇跡調査官
感想投稿日 : 2015年6月30日
読了日 : 2015年6月29日
本棚登録日 : 2015年6月28日

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