縄文時代から現代( 2005年)までの日本美術の歴史を追った本。
一冊でもりだくさんな内容を含むこの本、教科書としても使えるように配慮したとのことですが、そのせいなのか全体的に視点が細かくて記述が粗い印象です。
本文の書かれ方が、作品に関しての意味を追うけれども個の作品として読むことが少なく、他の本の引用も結構あったりして、個人の著作としてよりも教科書としての記述が色濃い感じがします。
個人的に美術史でいちばん肝心と思っている、思想の流れがわかりにくいのが残念。
とはいえ正確さには念が入っており、土器、仏像、絵画、建築等々扱う作品の幅が広いし、図版は小さいけれどもカラーできれいだし、日本美術史の一貫した読み物自体が貴重ですので、手元にあれば何かのときに便利。かと思います。
いやー。うーん。自分としては情報量や正確さよりか、もっと美術を学んできた人の人間くさい日本美術史が読みたいのですが。そんなのは美術史として NGなのかなあ。
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仕事関連
- 感想投稿日 : 2013年2月9日
- 本棚登録日 : 2013年1月27日
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