ギンイロノウタ

著者 :
  • 新潮社 (2008年10月1日発売)
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本棚登録 : 398
感想 : 82
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週間ブックレビューで山崎ナオコーラがオススメしていたので、読んでみた。
本書は、「ひかりのあしおと」「ギンイロノウタ」二編を収録。
どちらも登場人物が同じような感じ。
どうせ二編収めるなら、違った作品を収めた方がいいのになと思ったが、村田沙耶香さんの作風なのでしょうか。
僕的には「ひかりのあしおと」のほうが完成度が高い気がするな。特に前半の主人公の描写はよく書けていると思う。
主人公の発する言葉ひとつひとつが、非常にリアルに感じれるし、ものすごく言葉を選んでいるせいもあり、人物がものすごく際立っている。
残念なのは、後半の妄想世界の描写がイマイチなところ。
凄く個性ある作家さんだし、この路線でがんばって欲しいとは思うのだが、非現実を描くのにまだ力量不足な気がします。
閉塞感を感じながら生きるリアルな10代を描いた作品でも充分力を発揮できるとおもうのですが、それでは売れたり話題になったりしないのでしょうか?
今後に期待します。
表題の「ギンイロノウタ」は、「ひかりのあしおと」を読んだあとだけに、ちょと飽きてしまった。
本の構成的に順番が逆の方がよかったかも。
装丁は凄くいいし、出版社が売る気まんまんなのはわかるきがする。
乙一よりは面白いとおもうし、北上次郎の最近のオススメよりは光るものがあると思う。
なので、そんな意見に期待を持ってくれる方にはオススメです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学
感想投稿日 : 2012年1月17日
読了日 : 2010年1月30日
本棚登録日 : 2012年1月17日

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