なんやかんやあって絶版回収重版未定らしいですが、そんな状態にしておくには勿体無い妖しい企みに満ちた怪作です。
構成は、物語のほとんどを占める作中作「蛭女」を現実パートでサンドイッチという仕組み。
この作中作は、登場人物こそ狂っているものの、オーソドックスな展開で、密室の真相自体も巧妙ながら、ありがちなもと言えるでしょう。
本書の白眉は、作中作外で明かされるとある仕掛け。この仕掛け自体は前例がありますが、真相が突飛すぎて開いた口が塞がりませんでした。
しかし、さらに明かされるもう一つのネタで突飛とは言うものの、全くのアンフェアではないことが分かります。ただ、全てを見通せる読者はおそらく存在しないでしょう。
伏線は相変わらずしっかりと張られているのですが…
ある程度ミステリに慣れているとより楽しめる作品かと思います。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年5月10日
- 読了日 : 2015年5月1日
- 本棚登録日 : 2015年5月1日
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