ST 警視庁科学特捜班 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2001年6月15日発売)
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本棚登録 : 1685
感想 : 185

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いろいろな事情があって『アメリカ素描』司馬遼著,と『春は馬に乗って』遠藤周作著を懸命に読んでいる。もちろん大御所二人のエッセイはそれなりに面白い。面白いがちょっと小難しいところもある。特に狐狸庵先生の方に多箇所あって,その場合かなりの確率で眠くなる。そんな時はやはり今野敏御大将の作品に限る。ただちょっと悔しくて惜しいのは面白いので,すぐに読み終わってしまう事。まあ贅沢な悩みではある。

でさて本作を皮切りに ”ST”シリーズ(”サイエンティフィック タスクフォース” らしいが『科学特捜隊/班?』なんだから ”Science Special Investigation Corps” 『SSIC』の方が良いなぁ。笑う)へと突入予定。本書に続くシリーズ作品は全部未読なのでめっさ楽しみなのである。しかし順番通りに間違えないで読み進めて行くには少しの努力と慎重な判断が必要なのだ。これも贅沢な悩みか。

今回の野敏作品には,僕的にはかなりめづらしくも理解できない文章があったのでここに引いておく。読者諸兄のご意見を伺えると嬉しい。本文282ページ。そのまま引くと「・・・六十八年から六十九年の間に四人の女性を暴行殺害したけど,そのうちの二人の乳房を切り取り,合成樹脂で型を取り暖炉の火で鋳造したんだ」 はてさて僕にはこの文章の意味がわからない。”樹脂で型を取って暖炉の火で鋳造する” っていったいどういうことなのか。『切り取った乳房を使ってそのまま砂型を作り,その砂型に暖炉で溶かした金属を鋳込んで作る』なら分るが,敏之介殿の文面は絶対にそうは書いていない。樹脂の型など暖炉の火にかけるとたちまち燃え溶けてしまうだろう。幾度かの編集者を含むプロの校正を受けて上梓されている本なのだから真相はどこかに必ずある。はて ではその真相は一体何だろう。(でも今野敏太郎様のこの手の僕の疑問に答えてくれた方は,ご本人や出版元を含めて未だに誰一人いらっしゃらないのであった)

いろいろ高言,すまぬ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年9月21日
読了日 : 2021年9月21日
本棚登録日 : 2021年8月28日

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