一気読みだった。心が震えた。篤くなった。 もうずいぶん前に『沈まぬ太陽』を読んで同じ思いを感じていた。 そして2006年4月に羽田に設立されていた日本航空の「安全啓発センター」をつい先日見学した。 この「安全啓発センター」は、JAL123便の事故を風化させないために、事故原因となった圧力隔壁や尾翼の一部、そしてボイスレコーダーまでもを現物保存している。 直筆の遺書があった。この本と同じだった。「立派になれ」「しっかり生きろ」「かあさんを頼むぞ」 ・・・思わず目頭があつくなった。 この日航「安全啓蒙センター」の見学がこの本を読むきっかけになった。 『クライマーズ・ハイ』という題名は、どう考えても山登り関係の用語なのに、日航ジャンボ機の墜落事故とどういう関係で語られているのか、少しそういう興味もあった。 この作品、文庫版の方がもちろん沢山の人に読まれているのだろう。 表紙に決定的な違いがある。文庫版の表紙にはジャンボ機が飛んでいるが、単行本は「山」しか描かれていない。 作者が語りたかったのはこちらなのだな、とも感じた。
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- 感想投稿日 : 2008年7月5日
- 読了日 : 2008年7月5日
- 本棚登録日 : 2008年7月5日
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