ウィーン・フィル 音と響きの秘密 (文春新書 279)

著者 :
  • 文藝春秋 (2002年10月21日発売)
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感想 : 18
5

面白い!

ウィーン・フィルに係るさまざまな事柄を紹介しています。

フルトヴェングラーの指揮棒では、右手がプルプルと震えながら上がっていくのを見て、開始の音をオーケストラが感じるということが書かれていました。ベートーヴェンの交響曲第5「運命」の最初もこの「プルプル・・」でバシッとスタートしたそうです。

先日地元の管弦楽団の定期コンサートでまさに同じベートーヴェンの交響曲第5「運命」が演奏されました。指揮者は東京でバレエ団の指揮者もつとめる有名な指揮者さん。とても綺麗な指揮をします。リズムに合わせて体全体で音楽を表現されます。その指揮者にして「ジャジャジャジャーン」を大失敗されました。オーケストラがタイミングを読むことができなかったのですね。

田舎の管弦楽団とウィーンフィルを比較してはいけませんが、なるほど、さすが一流は違いますね。

そのほか、指揮者のリハーサルの仕方が十人十色ということが書かれていました。さんざん批判されているカラヤンが実は素晴らしい音楽伝達能力と協調性があること。一切リハをしなくても本番で素晴らしい演奏を引き出した指揮者など、感銘を受けました。

その他もろもろ、大変勉強になる本でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: クラシック音楽
感想投稿日 : 2014年1月23日
読了日 : 2014年1月23日
本棚登録日 : 2014年1月14日

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