「神殿」
潜水艦U29船長の手記…といった手法で書かれた作品。
潜水艦という閉鎖空間で徐々に狂い行く船員、海底都市…ベタですが雰囲気はよかったです。
「ナイアルラトホテップ」
作者ラヴクラフトが夢で見たできごとをほぼそのまま綴ったもの。
夢ならではの不条理さとそれでいて辻褄の合った世界ってのが面白いです。
「魔犬」
奇妙な趣味からとうとう墓場荒らしまで始めた二人が墓地に納められた魔除けを持ち帰ったことから、得体の知れない恐怖におびやかされることになる。単純なストーリーですが雰囲気作りが上手く、最後のオチも良いと思います。
「魔宴」
自らの一族の本当の役割を知って、その恐怖に怯える・・・って感じ。壮大なんだけどちょっと肩透かし。
「死体蘇生者ハーバート・ウェスト」
ラヴクラフト版フランケンシュタインってとこか。
生命を完全に実験材料としか見ていないウェストの恐ろしさとその行く末が見所かな。
「レッド・フックの恐怖」
警官の主人公が貧民街に巣食う黒魔術の集団を捜査する…魔術などへの関わりが明らかになるあたりから面白くなると思うが、前半がツライ;
「魔女の家の夢」
魔術的と数学の関係が面白かった。現実とリンクする夢の部分や魔女を倒し全てが終わったと思ったら更なるオチが待ってるとかなかなかでした。
「ダニッチの怪」
序盤はラヴクラフトらしいゴシックホラーでいつもの感じなのですが、後半ダニッチの村を見えない恐怖が襲うあたりから怪獣モノなテイストに(^^;
これだけの大物だとさすがに呪術で解決は仕方がないか。
- 感想投稿日 : 2012年10月24日
- 読了日 : 2011年11月17日
- 本棚登録日 : 2012年10月24日
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