なんと表現したら良いでしょう。魅了されました。
幻想的な和の雰囲気に静かにゆったり浸れました。
百年位前のお話です。亡き親友の高堂の、実家の管理を任された、売れない作家の、綿貫征四郎が主人公です。摩訶不思議な出来事が、当たり前のように次々起こりますが、ゾワッとしながらも受け入れる生活するようすが、淡々と描かれていきます。まず、驚かされることは、部屋の掛け軸から亡き親友の、高堂が時々現れてしぜんと綿貫と、会話したりするのです。綿貫は、狐狸に化かされたり、河童、人魚、小鬼、カワウソなど不思議な生き物も現れることにきがつきますが、…という物語…。
そして、少し古風な文体は趣が有りますし、文章も時折優しいユーモア風味を、感じてなんとも、いいのです。時々読めない漢字や言葉や植物などを調べながらの読書でしたが、ゆっくりまったり、浸れて読めるのでそれも含めて、楽しめました。
構成としては二十八からなる草木の名前の章の構成でした。百日紅、都忘れ、ダァリヤ、南蛮ギセル、桜、
葡萄…、などなど。
カラスウリの章は、心に残ったところのひとつです。
私はウォーキングしているのですが、最近たまたま、カラスウリを知ったばかりなので、嬉しく感じてしまいました。花は、とても幻想的な趣があります。花は日が暮れると開花し朝には閉じてしまう、一夜花で、夜に咲く真っ白のレースのようなデザインの花は、素敵です。今の時期はもう、実がなっていて、薄いグリーンに白い縞模様のと、それが熟すとオレンジ色のものが混在していて、とても可愛い実なのです。今、我が家の靴箱の上にちょこんと、いくつか秋らしく飾って、楽しんでますー
主人公たちの性格や心情も、ほっこり、共感できました。犬のゴローも、やっぱり不思議な犬で良いですね。じんわりした、心持ちになる終わりも、素敵でした!
読んで良かったと強く思いました~
- 感想投稿日 : 2022年10月19日
- 読了日 : 2022年10月19日
- 本棚登録日 : 2022年10月19日
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