面白かったです!!
好みが分かれる作品だとまず思いました
それはまず文体が、独特でした。
でもこの文体だからこそ伝えたいことが伝わるような気がしました。私は、最後には慣れてきました。
それから、女性ならではのお話なので、男性には分かりにくいかも…と感じました。
印象深いところ。
最後の方で、卵を投げつけ合う修羅場です。
筆談しか、してない娘が最後に「お母さん!」と、声に出します。
「ほんまの事ゆうてよ。」と。
それにたいして母親は、
「ほんまのことなんてな、みんなあるとおもうでしょ。でも緑子な、ほんまの事なんてな、ないこともあるねんで、何もないこともあるねんで!!」
娘に本当の事を教えて!!と強く言われても、そんなものは無い!!と、はっきりと言い切る!!母親。
でも、本気でお互いにぶつかった事で、何か通じたものがあったのでしょう。
このあとに2人の関係性は、良くなります。良かったです。ずっと、筆談なんて、言葉を交わさないなんて、悲しすぎます!!
女同士、母とい娘の関係性は、特に難しいです。私にも良くわかります。
言葉が足りないことなどで、伝わらないこともあれば、どんなことでもなんでも、本当の事だからと、言って良いことでもないと思います。
近い関係だからこそ、ほんとうに難しいことってあるなあと、改めて思いました。
緑子の日記が、ところどころに挟まっている構成です。
これを読むと、とても切ない気持ちになりました。
せき止めシロップを必要無いのに飲みすぎているお母さんに対して心配しているところ。
豊胸手術を心配しているところ。
やっぱりいろいろと母親をみています、愛をもって母親を。
お互いに愛情あっても、噛み合わない部分が、切なくて沁みてきました。
芥川賞受賞作、心に刺さりました。
- 感想投稿日 : 2022年7月2日
- 読了日 : 2022年4月25日
- 本棚登録日 : 2022年6月4日
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