大好きな今村夏子さんの本を
また、スルッと、積ん読本が、たまっているのに、図書館で、無意識に、手にとってしまった!
童話かと思われる表紙の愛くるしい、あひるの表紙の絵に、とっても魅せられて。
そして、今村夏子の世界に引き込まれ、やっぱり私は深く迷い込んでしまった!!!!
私としては今村夏子さんは、これで3作目の読書なので、少しは免疫がある。
大丈夫、想定内で、ということだけど。甘かった。
読み終わると、ザワザワ感が、強烈に襲ってきた。
あひるを飼うことになった家族と、そのあひるを見に学校帰りに集まってくる近所の子供たちが登場人物。
両親と三十代位の私の三人暮らしの生活がそれによって賑やかに、明るくなって。何気ない日常を読みやすい文章で淡々と綴られていく話。
将太という弟が、いるのだが、結婚して別に暮らしているが丸8年、子供が授からなくて、両親は孫欲しさに毎日お祈りしているとのこと。
最後は、やっと弟夫婦に子供が授かり生まれ実家に戻る為に増築するという、いっけんハッピーエンドのような終わり方で終わる…。
両親の、感覚も、ちょっとおかしな、いびつさを、かなり感じて、しまう内容。
でも1番不穏さを感じるのは、主人公の私。
将太の姉である。主人公なのに名前すら描かれていない。
家族の中で、存在感が薄く扱われているのが謎すぎて、ミステリーを感じる。
もしかしたら、主人公の私は
あひるの、のりたま同様代替えされたような存在なのではないか………おそらく弟が生まれた時に !!
とも思われる??と、思ってしまった!!!!
だって
両親にとっては娘も大切な子供はずなのに……???娘が資格をとるために何年も勉強しているのなら、近所の子供が家のなかで、うるさくしていること、気にしないのはどうなんでしょう??
弟にしても、お姉さんなのに…なぜ。とかいろいろ不思議過ぎる部分もあった。
とにかく…家族でありながら、蚊帳の外な主人公。
違和感ありすぎていろいろと。わからないことだらけ。
謎と言えばこの場面。
真夜中に突然来た、近所の、男の子。
きのう来て家の鍵を忘れたからと言って突然来る。
家の中じゅうを探し、無い。
お腹がすいたといって、大盛カレーなどを四杯食べて、デコレーションケーキもなんと…半分も食べて帰った。
もはや男の子…という食欲ではない。
大人でもきつい……
そして、主人公の私は、その男の子は、なんと、のりたまが姿を変えてやってきたのではないかと、考える。
実際に翌朝くちばしに生クリームがついてないかと確かめるあたり……は、…
怖すぎます!!
そして、さらに怖いところ。
弟の子供の、赤ちゃんが、うまれるはなしを母から聞いて、半年たち、うまれてからも1度も会っていない主人公の私は、1枚の写真を見るばかりな、毎日。
勉強も、身が入らない。それはそうだ、そんなに見たら。弟によく似た赤ちゃんの写真。怖い
それほど会いたいのだろうけれど、
それにしてもその回数の多さ……なんと数千回!!
読んでいて愕然とした!!
背筋が、寒くなった。
ほのぼのとした装丁のあひるの絵。
読み終わって閉じて、しみじみよく見ると、むしろ不気味でしかみえない私がいました。
真夏にぴったり、
私にとってのホラー小説でした。
- 感想投稿日 : 2022年7月25日
- 読了日 : 2022年7月23日
- 本棚登録日 : 2022年7月23日
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