あひる

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著者 : 今村夏子
  • 書肆侃侃房 (2016年11月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863852419

あひるの感想・レビュー・書評

  • 可哀想な人って誰ですか?

    それを決めるのは誰ですか??

    静穏に見えている日々にも
    それぞれの思惑はあって……

    小説ならではの居心地の悪さが
    心地いい。

    ヒップホップのパンチラインの様に
    毒がチクチクと刺さりこむ。

  • 日常に起こる、起こったかどうかもわからないような小さな事件に、どれだけ心を寄せられるか、何かを感じられるか、が、日々を深く豊かに暮らすカギで、そんな日々が続いてゆくことが幸せなんじゃあないか、なんてことを考えてしまうような、静かであたたかですこしさみしい今村夏子さんの物語が、一文一文が、大好きです。「こちらあみ子」、文庫に併録されてるのが単行本とちがうなんて知らんかった!ので買わねば。

  • …「昨夜はありがとう。お父さんとお母さん、あなたが来てくれて嬉しそうだった」… 51-2
    …のりたまに会いにくる子は後を絶たなかった… 10
    …資格があれば仕事が決まる… 34
    …「お父さんお母さん。のりたまが死んだよ」… 53

  • 読了。

    とてもよかった。
    『こちらあみこ』みたいな不思議感と切なさとか。

    表題以外の「おばあちゃんの家」と「森の兄妹」がまさかの連動でおもしろかった。

    雄の雉ってなんのメタファーだったのかな。
    (170328)

  • 面白かったです。初めから感じる不穏な空気が怖かった。『こちらあみ子』とはまた違ったざわざわ感。癖になりそうです。

  • 噂通り心がざわつく。決して怖い話では無いのに背筋がぞっとする。日常と狂気は紙一重か。

  • 「あひる」「おばあちゃんの家」「森の兄妹」
    読み手によって受け取り方がかわってくる不思議な物語。私はどうしてもネガティブに深読みしてしまう傾向が強いので灰色ぽく感じてしまった。

    「あみ子」の時もそうだったけど、時が止まった昭和の夕暮れから夜…みたいな雰囲気がこわかった。今作ではますますホラー感が増していて、読み終えてからすぐに読み返しました。すごいとは思ったけどざわざわして何とも言えない…。

    物語の中で“お彼岸のおはぎ”が出てきたけど、いまちょうどその時期でシンクロしてぞわっとした。

    この単語は何にかかっていくのだろう…と、文章の句読点や区切りが不自然で数か所意味が分からなくて、何度も読み返した部分がある。(これたぶんわざとこうしてるんだろうなぁ…)ホラーやイヤミスもイケるんじゃないかな。あひるという単語を調べた。

    自分の子供の頃の行動にも心当たりがあり過ぎて、読むたびにあの頃が浮かんで不安になる今村さんの作品。境い目がハッキリしない良さとこわさがごちゃごちゃに…。(面白いという感覚ではないけど最終的に4回ほど読み直した)

  • 短編。
    あひるが家にやってきて、周囲が変化していって…。どの話もぞっとするような、ふわっとするような。

  • 初読みの作家さん。

    最低限の言葉で綴られていて読者にイメージさせて完成する、
    そんな作品集。
    決して未完成という意味ではありません。

    「あひる」は子どもと動物がでてくるのに決して明るくない。
    ごく普通にふるまう子どもたちの
    言動の裏を読みたくなってしまう。

    子どもに妙に気を遣う、
    でもちょっと嬉しいと思ってる夫婦の裏も読みたくなってしまう。

    「おばあちゃんの家」も「森の兄妹」も
    ただただ、朗らかなだけの子ども時代ってないかもなぁ、と思った。

    でも、それが、それぞれの日常なんだよね。

    言葉は本当に少ない。

    それだけに、軽く読むか重く読むかも読み手次第。

  • 読み始めると心がざわつく。何気ない日常の、ふわりとした安堵感にふとさしこむ影。淡々と描かれる暮らしのなか、綻びや継ぎ目が露わになる。あひるを飼うことになった家族と学校帰りに集まってくる子供たち。一瞬幸せな日常の危うさが描かれた「あひる」。おばあちゃんと孫たち、近所の兄妹とのふれあいを通して、揺れ動く子供たちの心の在り様を、あたたかくそして鋭く描く「おばあちゃんの家」「森の兄妹」の3編を収録。

    何だか背筋がすーっと寒くなるような後味の悪さみたいなものが残る作品でした。純文学ってやっぱり苦手だなぁと思った瞬間・・・。装丁はとてもかわいらしくて好きだけど、中身はちょっとホラーめいてきて私に合わなかった。一匹目も二匹目も、あひるは殺されてしまったということなの?両親は知らんふりってこと?あひるが大好きで小さい頃世話した身としては苦い読み応えだったしどうしても歪んでる家族の姿を肯定できない。諾々と弟や両親の言うことに意見を言うわけでもないのに自分が試験に落ちることを彼らのせいにするような娘の視点にもイライラした。

  • 少し寂しくて温かい読後感。
    子供から見た大人の描き方にハッとさせられる。

  • 良い意味でコトバが少なく、淡々としている。だから、短いストーリーの中に、「どうしてそうしたんだろう?」と考えさせられるシーンがたくさんあり、ふと思い出したりして、頭から離れられなくなる。本当は「そうしたこと」に大した理由なんかなくて、感情の赴くままにしてしまったのかもしれないし、たくさん考えた上に出したことなのかもしれない。読む人によって、受け取り方が変わる本かも。1つだけ不満を挙げると、なぜかしおりのひもが非常に短かかった…。

  • 家で飼うことになったアヒルの「のりたま」。父母と三人の暮らしは、その日から少しずつ変わっていく。学校帰りの児童たちが、アヒルを見る為に家に来るようになったのだ。どんどん増える子供達と、それを楽しみにしている父母。ところがアヒルの具合が悪くなり病院に行ってから、何かが変わって…。
    主人公「私」も、父母もいい人なんだけどどこかすっきりしない感じで、ちょっと違和感を感じる。何とも変な読後感のある短編集。嫌な感じではないんだけど。

  • 父親の同僚から譲り受けたあひるを庭で飼い始めると、静かだった家に急に来客が増えた。だが間もなくあひるは体調を崩し…。表題作他2編。

    アメトークで読書芸人たちがこぞって勧めていた本。先に『こちらあみ子』を読んだのだけど、共通する独特の空気感は好き嫌いが分かれると思う。
    児童小説のような優しい言葉で書かれた文章の所々に唐突に差し込まれる不穏なワード、でもその説明はされず周知の事実のように流され、読む方は不安が募っていく。

    社会的弱者の心の動きを表現することに長けた作家さんだと思う。
    最後の『森の兄妹』は、これも今村テイストなのだろうと警戒して読み進めたら意外や子供の心理を上手に掬い取った後味の良い作品で、自分が小さかった時の心細さや葛藤を生々しく思い出した。
    2編に登場する「クジャク」から、もしかして3篇とも山間の同じ町が舞台なのではないかと推測した。

  • テレビで紹介されて、そして、装丁のかわいらしさに惹かれて読みましたが、面白くて一気に著者のファンになりました。

    平穏な生活のなかに潜む影や胸がざわざわするような…些細なことなのに落ち着かないような日常のひとコマが丁寧にすくいとられていて、読んでいる側も胸がざわざわするのに、続きが気になるし、読んでいて心地がよかったです。

    あひるは短編。
    残り2作は連作短編集でした。

    違う作品も読んでみたいです。

  • 子供達を可愛がることに生きがいを見つけたように元気になって張り切るお年寄りと興味を向けるものがすぐに移り変わっていく子供達との間に出来ていくひずみ。かわいい挿絵とやさしい文章なのに心がずっしり重くなった。
    「おばあちゃんの家」と「森の兄妹」のおばあちゃんは同じおばあちゃん?

  • 表題の「あひる」を含む「おばあちゃんの家」「森の兄妹」3編の短編集。

    スキマを埋める話と埋められない話。

    村上龍が以前に「すべての小説は『人間が穴に落ちる』
    『穴からはいあがる/穴の中で死ぬ』という話型でできている」
    とどこかで書いていたような気がする。

    淡々とした語り口のなかに、
    漠然とした不気味さや違和感がじわじわと滲み出している。
    文章自体はとても平易に書かれていてとても読みやすい。
    国語の教科書に載せたいぐらい。

  • 著者初読み。新聞の書評にて気になって読んだ作品。ほっこりとした、どこか懐かしく、ゆったりとした時間の流れが感じられる読後感。おばあちゃんの家に遊びに行き、おばあちゃんや近所の方と会話して世代を超えた交流が感じられ、賑やかだけど穏やかな部分があり、子供とは違い、純真無垢ではなく、子供から見た大人の世界の怖い部分、興味をそそられる部分もあるなど、子供と大人の世界観が交わるような感じである。様々な表情が垣間見え、素朴で素直さが見え隠れていた印象である。

  • どうにも座りの悪い家族ばかり。
    誰と誰が悪意があって、誰と誰に向かっているのか。
    静かなだけに、冷え込む。

  • 何というか、不思議な小説である。表題を含む3編の短編集だけれど、どの作品も、何気ない家族の話なのだが、何故か背筋が寒くなる感じがしたのは何なのだろう?
    よくわからないが、普通の日常に潜む影がそこかしこに出てくる。普通に読んでいたら気がつかないようなちょっとしたことだけど、妙に尾を引くし、何かが頭に引っかかる。
    これが「今村夏子」ワールドなのかも・・・・。この作品だけでは何とも言えないけど、先の「祐介」よりは、まだこちらの方が何か読みやすい。ただ、読みやすさは逆に怖ろしさであるかもしれない。とにかく不思議な作品だった。

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    「あひるの暗喩は 子供」として読んだ。終わり方から考えると「あひるの恩返し」や 「あひる=座敷わらし」的な物語で いいのだろうか


    スッキリしない

  • 一時間で読了。ほのぼのとした日常、に潜む得体の知れない何か。子供の頃、身の回りにまだ知らない理屈がたくさんある中で過ごしていた頃のことを、ぼんやり思い出した。

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