あの夜から二年。眠りから目を覚ました式はあらゆるものの死を見ることが出来る直視の魔眼を手に入れていた。嫌だそんなもの見たくないのにー新たに始まり、続いていく両儀式の物語。
ある夜、式は家族を殺したという少年に出会う。式は彼と共に殺害現場に訪れる。しかしそこには死んだはずの家族が生きていた。一方依頼を受けた黒桐と橙子はある場所にたどり着く。交わる二つの出来事、すべては式を手に入れるために仕組まれた罠だった。根源の渦を目指す荒耶宗蓮を式は打ち破ることが出来るのか。
式の眼のことや根源、魔術師についての説明があり疑問が解決された巻だった。橙子さんの体や魔術師の対決、式と宗蓮のやりとりなど戦闘シーンが多く楽しかった。巴くんが悲しくて読み進めるのがなかなかつらかった。ただ利用されていた巴が宗蓮と戦うシーンはつらくもありうれしくもあった。解説に奈須きのこ作品からは孤独を感じるとあり納得した。Fateも月姫も(月姫は漫画しか読んでないが)同じ場所に立っている、言葉を交わしているのに決して同一にはなれないという拒絶の意思を感じる。誰かに受け入れて欲しい、誰かを受け止めたいという夢を見る一方で叶わないと諦める。まるで水面の月を掴むような願いだ。しかしわかり合うことが出来なくても寄り添うことは出来るはずだ。そういった希望を感じる巻だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年9月6日
- 読了日 : 2012年9月1日
- 本棚登録日 : 2012年8月30日
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