読み終わったとき、1人の男の人生が胸に重く残りました。
以前「朱色の研究」の中で”探偵とはいくら問いかけても答えてくれないものに語らせる存在”(大意なのでかなりはしょっていますが)と書かれていましたが、自らに鍵をかけたままこの世を去った男に対し、あなたはどんな人でどういった人生を過ごしてきて、なぜこの世を去ったのかを問いかけ見事に語らせていたと感じています。
アリスと火村が、アプローチは違えどそれぞれ見事に探偵役をこなしていた非常に満足感のある作品でした。
以前より有栖川作品は旅に出たいと思わせるものでしたが、舞台となった中之島をぜひ探偵達と同じように歩いてみたいです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
国内ミステリ
- 感想投稿日 : 2016年3月4日
- 読了日 : 2016年3月4日
- 本棚登録日 : 2016年2月26日
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