万葉文化の研究者が「遣唐使」を小説化。三十八の小編に分けて進行する物語は、研修者が執筆したことを知ると程よい長さの講義のようだ。会話文は現代風で、しかし時代考証に目くじらを立てさせないような、流れるような文章。風と海流に翻弄される当時の航走で命懸けで大陸へ渡り、そして帰ってくる、そのことを史料に肉付けして綴られた素晴らしい歴史小説に仕上がっている。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代小説
- 感想投稿日 : 2017年8月17日
- 読了日 : 2017年1月19日
- 本棚登録日 : 2017年8月17日
みんなの感想をみる