兵士に聞け (新潮文庫 す 10-3)

著者 :
  • 新潮社 (1998年7月1日発売)
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感想 : 20
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陸自のレンジャー訓練に臨む幹部隊員の裏事情。海自では、建造される護衛艦の総定員に見合わない乗組員数に苦しむ曹士クラスと、官僚主義的な幕僚の姿。空自は、離島の基地が取材対象。93年に発生した北海道南西沖地震による救援活動の描写は生々しかった。島民と、自衛隊員とその家族との確執も描かれ、閉鎖的な地域に根差す困難さを感じた。第五部はPKO派遣問題だ。政情不安なカンボジアで、銃に装弾しないでの歩哨、命令がなければ発砲できない、万が一発砲したら自己責任なんて、今さらながら自衛隊が置かれた立場と法の矛盾を感じる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2021年11月17日
読了日 : 2021年11月16日
本棚登録日 : 2021年11月17日

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