サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

  • 河出書房新社 (2016年9月8日発売)
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「サピエンス全史」の上巻は、3部構成となっていた。
第1部 認知革命
第2部 農業革命
第3部 人類の統一     である。

この下巻は、第3部の続きの後
第4部 科学革命
と話は進んでいく。

人類は、太古の昔に比べると、信じられないくらいの豊かさを手に入れた。その流れを、4部構成で説明をしているのが本書である。
ただ、4部の最後の2章は、事実の叙述とは趣を異にしている。

第19章は、これまでのまとめとして、「人類は信じられないくらいの豊かさを手に入れたが、では、それで人類は幸せになったのだろうか」を問うている。筆者は、肯定的でも否定的でもない。この問いは、これまで歴史家によって問われたことがないことを指摘し、この問いを考える努力を始めるべきだと、この章を結んでいる。

第20章は、人類の将来についてである。
人類は、神のごとく、世の中の自然物を設計する力を得つつある。具体的には、生物工学、サイボーグ工学、非有機的生命工学だ。
これらは、人類に更なる力や豊かさをもたらす可能性もあるが、一方で、やっかいな問題、特に倫理的な問題を惹き起こす可能性もある。
それだけの力を身に付けた人類は、「自分たちが何を望んでいるのか」をまず考える段階にあると筆者は結んでいる。

スケールの大きなストーリーであり、知的に刺激を受ける本である。しかし、上巻でも感じたが、下巻もやはり、私自身はそんなに面白くは読めなかった。おそらく、文章表現の好みの問題だと思う。自分にとっては、スムーズに頭に入ってこない文章表現であった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年5月22日
読了日 : 2023年5月22日
本棚登録日 : 2023年5月15日

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