星を継ぐもの (創元SF文庫) (創元推理文庫 663ー1)

  • 東京創元社 (1980年5月23日発売)
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本棚登録 : 14123
感想 : 1448
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文庫版の裏表紙に本書のあらすじが書かれている。

【引用】
月面で発見された深紅の宇宙服をまとった死体。だが綿密な調査の結果、驚くべき事実が判明する。死体はどの月面基地の所属でもなければ、ましてやこの世界の住人でもなかった。彼は五万年前に死亡していたのだ!
【引用終わり】

五万年前に死亡した彼はいったい何者なのか、どこから来たのか。
物語は、この謎を解くべく進んでいく。何度かのどんでん返しもあり、SFではあるけれども、一種の謎解きミステリーを読んでいるような面白さがあった。
彼が実際に何者だったかをここで書くとネタバレになってしまうので、書かないが、謎解きの結果は、十分に納得できるしアッと思わせるものだ。また謎解きに至るプロセスも読者に十分な情報が与えられており、フェアだと思う。

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」に続けて読んだ古典的なSFの名作。
これまで、私が読んで面白いなと思ったSFは「夏への扉」「アルジャーノンに花束を」等であり、これらも古典的な名作。読んだのは随分前のことだし、両作品はこれ以上ないくらいに面白かったのだけれども、なぜか、SFへの苦手意識が続いていて、それ以降もSF作品はほとんど手に取ることがなかった。それを克服しようと思って手に取った「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」および本書「星を継ぐもの」であるが、苦手意識は十分に克服された。いずれも一気読みの面白さだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年8月28日
読了日 : 2021年8月28日
本棚登録日 : 2021年8月27日

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