伝説の雀鬼・桜井章一伝 (幻冬舎アウトロー文庫 O 14-1)

著者 :
  • 幻冬舎 (1997年10月1日発売)
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もう10年以上前の話だと思うので、今どうなっているのか知らないけれど、桜井章一が経営していた「牌の音」というフリーの雀荘があり、その内の1つである町田店によく麻雀をしに行っていた。そこは若いメンバーがきびきびと働き、本当に気持ちの良い雀荘だったが、打っている麻雀も独特で、客は強制されるわけではないけれども、第一打に字牌を打たないとか、ドラの早切りをしないとか、南の4局オーラスで意味のないあがり(例えばトップを確定させるだけとか、順位が変わらないとか)はしないとか、のルールが徹底されていた。仕事上で海外出張が増えたり、実際に海外に赴任したり、ということがあり、足が遠のいてしまったのだけれども、きびきびした感じとある種の緊張感があり、海外赴任が終わって、また機会があれば、行ってみたい気がする。桜井章一のお店なので、桜井章一自身ももちろんよく顔を出していた。若いメンバーや若い客から「会長」と呼ばれていて(会長と呼ばれていたのは、雀鬼会という競技戦を主催していたからだと思うが)、桜井章一が現われると場の雰囲気が変わるというか、皆から慕われている感じがよく分かった。時にはメンバーとして卓に入ることもあり、その時には、勝ち負けとは関係なく、客に楽しんでもらえるような麻雀を打っていたような記憶がある。この本は桜井章一の裏プロ時代の伝記である。まぁ、僕などには想像もつかない麻雀がそこでは打たれていたのであろう。それは別にして、自分のお店の若いメンバーは若い客に慕われていた桜井章一を見るのは悪くなかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2010年10月16日
読了日 : 2010年10月16日
本棚登録日 : 2010年10月16日

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