Amazonプライムビデオの中から選んだ映画だが、とても面白かった。
クリント・イーストウッドが懐かしい。クリント・イーストウッドを初めて見た映画は、「ダーティー・ハリー」だった思う。サンフランシスコ市警のハリー・キャラハン刑事が活躍する映画だった。いつ頃の映画かと思って調べてみると、映画「ダーティー・ハリー」の公開はアメリカでは1971年12月、日本では1972年2月のことだから、今から50年以上前の話。それから比べると、クリント・イーストウッドも、もちろん歳をとったが、しかし、この映画の中でも十分に格好良かった。
この映画の中でクリント・イーストウッドが演じるのは、ポーランド系アメリカ人のウォルト・コワルスキー。朝鮮戦争に従事した後、フォード社で自動車工を務めあげる。妻を亡くし、中西部の田舎町でひとり暮らしをしている。隣の家にアジア系のモン族の一家が住んでいる。コワルスキーは、アジア人を好かないが、何となく彼らと交流することになる。モン族ファミリーの1人、タオは同じモン族のチンピラグループとトラブルを抱え、それに対してコワルスキーがチンピラに挑んだことで、タオの姉のスーがチンピラ達から暴行を受ける。コワルスキーは、復讐を誓う。
映画はこのようなストーリー。主人公のコワルスキーは、偏屈で孤独な老人として描かれているが、モン族の人々、特にスー、タオと仲良くなっていくプロセスは心が暖まる感じがする。ストーリーの最後でのコワルスキーなりの復讐の仕方が衝撃的であり、かつ、感動的だ。なお、映画の題名の「グラン・トリノ」は、フォード社のスポーツカーの車名。1970年代の車を格好よくチューンしている。
クリント・イーストウッドについて、もう少し調べてみた。
クリント・イーストウッドは、1930年5月生まれというから、現在93歳(!)。「ダーティー・ハリー」の前には「夕陽のガンマン」等の、いわゆるマカロニ・ウェスタンに出演していた。ウェスタンの作品も観た記憶がある。私はクリント・イーストウッドの作品を数多く観た訳ではないが、「ダーティー・ハリー」シリーズ以外では、「マディソン郡の橋」が記憶に残っている。
この「グラン・トリノ」は、2008年の作品なので、クリント・イーストウッドが78歳の年の映画になる。その後も、監督として、あるいは出演者として映画に関わっている。「ハドソン川の奇跡」は2016年(86歳の年)、「運び屋」は2018年(88歳の年)の作品であり、この年齢で第一線で活動していることも驚異的であるし、マカロニ・ウェスタンの時代から数えると、60年間程度、第一線で活躍していることも驚異的だ。
Amazonプライムのラインアップの中から偶然に選んで観た作品であったが、とても良かった。クリント・イーストウッドの他の作品、特に年齢を重ねてからの作品も、あらためて観たくなった。
- 感想投稿日 : 2024年2月6日
- 読了日 : 2024年2月6日
- 本棚登録日 : 2024年2月6日
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