今昔物語集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫 97 ビギナーズ・クラシックス)

著者 :
制作 : 角川書店 
  • KADOKAWA (2002年3月23日発売)
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感想 : 45

『今昔物語集』は一一二〇年くらいまでに書かれた説話集で、1020程度の話が入っている(未完のものを合わせると1059 だそう)。平安末期の書物だが、最古の鈴鹿本は幕末に奈良の大寺から鈴鹿連胤という人が購入した本で、江戸時代の終わりまでほとんど知られていなかったそうだ。
内容は印度・震旦(中国)、本朝仏法、本朝世俗で三十一巻。国際的な規模がある説話集だが、やはり面白いのは本朝世俗の部分で、貴族、僧侶、武士、女房、盗賊、あらゆる者がでてきて、残酷な話、智慧の話、艶笑譚、滑稽譚などがたくさんある。芥川龍之介の『鼻』、『藪の中』、『羅生門』、谷崎潤一郎の『少将滋幹の母』など、深沢七郎『楢山節考』など、さまざまな小説のもとになっている。
空海や安倍晴明などに関わる説話もこの本には入っていて、とても興味深くよんだ。
冠位の表などがのっているのも便利だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本古典・時代小説
感想投稿日 : 2024年3月21日
読了日 : 2024年3月21日
本棚登録日 : 2024年3月21日

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