シリーズの前作「スパイの誇り 」に比べてずっと読みやすかったのは、ちゃんとした長編小説になっていてストーリーで引っ張っていってくれこともあるし、実用化されたばかりの飛行機の話などが、具体的でわかりやすく物語の核になっているからだろう。
また、主人公をはじめレギュラー陣が、2作目と言うことで印象がはっきりしてきて、それなりのひいきが出てきたりしてきているのも、個人的には楽しくなった理由だと思う。謎のばらまき方や、最後ですべての謎が解けていくあたり、初期の作品を連想させるような気がする。また、もともと飛行機を印象的に描き出してきた作者だから(自信がパイロットの経験を持つ)、久しぶりに登場した飛行機、さらにそれを操縦する人の心の描写が気持ちよかった。うん、ライアルはこうじゃなくちゃって思うような感じである。
それにしても、なんで「決別」ってタイトルになるのだろう。確かに、主人公がそのようなことを話すシーンがあるけれど、それにしても「決別」って語感はどうかと思う。原題にあわせて「誇りからの飛翔」なんてしてほしかったような気がするんだけど。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外の小説
- 感想投稿日 : 2010年8月17日
- 読了日 : 2002年2月17日
- 本棚登録日 : 2002年2月17日
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