よこまち余話

著者 :
  • 中央公論新社 (2016年1月22日発売)
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本棚登録 : 454
感想 : 95

多分、明治時代の東京下町、時間が前後し、過去現在未来が入り交じり、不思議な世界が作られる長屋を舞台にした短編連作。
最初読み始めはなかなか物語の雰囲気、風景、世界がイメージしづらかったが、読み進めていくうちに、不思議世界に私自身取り込まれていくようで作品の世界に浸ることが出来た。不思議世界と言っても、ホラーやおどろおどろしい雰囲気ではなく、「花伝書」に書かれた世界観、能の幽玄の世界等が軸となり、やさしくおぼろげな霞の中の世界といった感じをもった。そこには悲恋が絡んでおり、それも読者を悲しいながらもふわりと心の奥に落ち着いていくストーリーになっている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年7月27日
読了日 : 2016年7月27日
本棚登録日 : 2016年7月27日

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