きみは赤ちゃん

著者 :
  • 文藝春秋 (2014年7月9日発売)
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本棚登録 : 1890
感想 : 282

作家川上未映子の妊娠、出産、そして1歳までの子育てのエッセイ。私の娘に近い歳の著者であるが、今までに体験したことのない妊娠、出産、育児ということに直面しての悲喜こもごもは今も私が体験した時も変わらないと感じた。ただ、現代は職業を持ち、働き続ける母親が多い。その大変さや葛藤等は私が体験した子育て時代とは大きく違うだろう。また今の時代、妊娠、出産、育児に関する情報、グッズ等は比べようもなく多く、便利で選択肢も多いのだと驚かされる。
もう忘れてしまっていた妊娠時の不安やふわふわした幸福感、出産時の痛さ、そして出産後常に感じていた(1年くらいは)睡眠不足、自分の時間が全くないこと、閉塞感等このエッセイを読んで鮮やかに思い出した。しかしそれは辛さばかりではなく、ベビーとのたった一度だけの「密」な時間であり、幸福な時間でもある。私にとってこの本は当時の甘い思い出を振り返ることが出来た一冊だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年10月2日
読了日 : 2014年10月2日
本棚登録日 : 2014年10月2日

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