不毛地帯(二) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2009年3月17日発売)
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本棚登録 : 2322
感想 : 111
3

2巻からは、主人公が商社で活躍し始める。
小説のモデルとなっている商社は伊藤忠。
そして、主人公のライバル会社は現在の双日のこと。

本作はロッキード事件をもとにしているのかと思っていたが、対象が戦闘機のため、現実にあった事件は、ダグラス・グラマン事件のこと。
しかし、ロッキード事件、ダグラス・グラマン事件が発覚する前に、この小説は連載されていたらしいから、山崎豊子先生の先見の明には驚かされる。
もしくは、本作の取材の過程でこれら事件の前兆を掴んでいたのか。

現実には、ロッキード事件は丸紅、ダグラス・グラマン事件は、双日だから、伊藤忠は検挙されなかった。

当初は、自分の軍歴を商社の仕事に利用することに抵抗していた主人公だが、政治家と軍官僚の癒着を目の当たりにして、自ら戦闘機の商戦に乗り込む決意をする。
結果的に、主人公会社は勝利して、主人公は異例の出世を果たす。
しかし、この異例の措置が社内の反感を買う。
次巻以降は、社外のみならず、社内の敵とどう折り合いをつけて商戦に勝ち抜いていくかが描かれている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年5月25日
読了日 : 2023年5月24日
本棚登録日 : 2023年5月20日

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