ファクトを知ることの大切さを痛感する。
福島第一原子力発電所の廃炉は、技術的にも周辺地域に与えた影響の大きさという意味でも、日本にとって真剣に取り組まなければいけない重要なプロジェクトである。
しかし、一般的に(自分もそうだが)、その実態を詳しく知っている人は少なく、逆にデマやトラブルの情報だけが時折伝えられてくるだけという状態になっている。
本書を読むことで、廃炉作業の工程において、いま何がどこまで進んでいるのか、汚染に伴って発生する廃棄物の処理にはどのような課題があるのか、敷地内屋敷地周辺の放射線量が事故後から現在に至るまでどのように推移し、現在はどのような状態にあるのか、といったことを理解することができた。
その実態を知ることで、過剰に不安になることなく、廃炉のプロセスを冷静に見続けられるようになる。
5年前の本であり、現在の状況をアップデートした本があれば、それは非常に有益だろうと思う。
ただ、5年が経過して、廃炉のステップの概要が見てきた時点の状態であるこの本は、廃炉の全体像を頭の中に入れるのに非常に役に立つ。
そうして自分の頭の中で、福島第一原子力発電所というものを一つの全体像として構築することによって、これから目にする様々な報道や情報を、より理解できるようになると思う。
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- 感想投稿日 : 2021年1月9日
- 読了日 : 2021年1月9日
- 本棚登録日 : 2021年1月4日
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