こぼれ落ちて季節は

著者 :
  • 講談社 (2014年9月19日発売)
3.26
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本棚登録 : 294
感想 : 37
4

フリーペーパーを作るサークルに所属しているメンバー、その友人や周りの人たちなどの連作短編。

一篇のなかに二人の語り手がいて
同じ場面が別の視点で繰り返されたり、
語りだしの言葉が同じだったりと、構成が凝っていました。


加藤さんの描く世界は、やはりどことなく切ない。
切ないだけで終わらず、
冷静に真理をついている気がします。


特に『向こう側で彼女は笑う』が女性としては
かなり共感できた。


いくら仲が良くても、友人と自分を比べてしまうこともあるし
言えないこともたくさんある。


なんだかやるせないけど女子の人間関係ってそういうところがあるのも現実。


最初の『友達のふり』と最後の『波の中で』は
愛と那美香という同じ人物が語り手なんだけど、
いい意味でも悪い意味でも、大人になったなーと感じた。

月日の長い間を感じる構成になっていました。



他の短編でも、その後がちらちらとわかったり
物切れじゃなく、続いてる感じがよかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年12月17日
読了日 : 2014年12月10日
本棚登録日 : 2014年12月17日

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