荒れた児童たちばかりを引き取っている寄宿学校で舎監として働くことになったマチューは、合唱を通じて生徒たちを更生できないかと考える。
本質的な「悪ガキ」性はなかなか消えないものの、マチューの合唱指導によって見違えるほど明るく真っ直ぐになっていく生徒たち。彼らの変化と比例するかのように、冬の間は荒涼として寒々しかった寄宿学校が、春・初夏を迎えると色彩に溢れた美しい場所へと変わる。直球だけど心地よい演出だった。
変声期を迎える前の少年独特の美しい合唱も堪能できる。
後に高名な音楽家(ジャック・ペラン)となる少年ピエールを演じた子は、美しい歌声と繊細な演技が良かったけれど、かなりの面長で、どちらかというと丸顔のペランとは似ていない。この少年よりも、マチューの「助手」を演じる幼いペピノ役の男の子が将来的にはペランのような顔になりそうだ。・・・と思いながら映画を観て、最後にエンドロールを見たら、ペピノ役の男の子はペランの実の息子だった!!!(笑)
ラストも心温まるエピソードで素敵だったんだけど、途中から学校に入ってきた不良少年モンダンが結局悔い改まらないまま終わる辺りなどは、やはりフランス映画ならではというか、何もかもをファンタジーにしない、よくもわるくも冷めた視線があるなぁと感じた。
もちろん、彼の存在があるからこそ、マチューによって才能を見出されたピエールのファンタジーが際立つのだけれど。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
映画(か行)
- 感想投稿日 : 2012年6月24日
- 読了日 : 2012年6月23日
- 本棚登録日 : 2012年6月23日
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