2023.6.7読了
語り手である「自分」は、奇異な友人の「金子」より謎の電報を受け取り、会いに向かうと金子は自殺していた。
驚きつつ電報にあった場所に戻りよく調べると、金子の書き残した文書が見つかる。そこには、金子の恐ろしい秘密が記されていた。
悪食に魅せられ破滅した男の独白。
youtubeオカルトエンタメ大学の「東雅夫氏の選ぶ日本最恐ホラー小説Best10」にて10位にランクインされていて未読だったので青空文庫で読んだ。
非常に短いがとても味わい深く、今となっては新規性こそ失われているものの、発表当時はかなりショッキングだったろうと思うと楽しい。伏線もきれいに回収されつつ、しっかり嫌な気分にもしてくれる。
著者は、明治・大正時代の洋画家・詩人・作家。
宮沢賢治と同年生まれだが、賢治が37歳まで生きたのに(それでも若いが)酒浸りの退廃的な生活を重ね、結核性肺炎を患い、当時流行ったスペイン風邪にかかった状態で雨の中飛び出し畑で倒れているところを発見され、直後22歳で夭逝した。高村光太郎と親交があった。
愛知生まれ京都育ち、亡くなった際は渋谷区代々木で暮らしていた。
母親が女中奉公をしていた関係で、森鴎外が「槐多」の名付け親だとか。
才能があったのにもったいないとも思うが、「火だるま槐多」と光太郎が言うように太く短く生ききったんだろうな。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
1️⃣文学
- 感想投稿日 : 2023年6月8日
- 読了日 : 2023年6月7日
- 本棚登録日 : 2023年6月7日
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