人や物を好きになることを人間に課せられた呪いや病の一種かのように捉えるホーンビィの狂信的アーセナル愛が炸裂した自叙伝です!
思えば自分も映画が好きなんですが、単にそれは面白い、楽しい、好きだからとかいうものではなくて、自分の生活や人生の中心にいつしか据えられてしまったものだからというのもあり、時に休日を映画を見に行くこと前提でスケジューリングしている自分に心底気味の悪くなる瞬間があったりします。
今作はアーセナルに人生を同化させすぎてしまった男の悲しくもおかしいエッセイで、好きな物を語っているはずなのにどこか陰鬱な雰囲気が漂っているのがとても面白かったです。
ちなみに今作はファレリー兄弟によって映画化されていますが、そちらはボストン・レッドソックス狂信者の男と結婚適齢期に悩む女のラブコメで全くの別物といっていい作品でした。どちらも好きですが、映画化の方にホーンビィの色は感じられないのでご注意を。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2019年6月23日
- 読了日 : 2019年6月23日
- 本棚登録日 : 2019年4月15日
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