- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101104058
作品紹介・あらすじ
"しぶちん"とは大阪弁でケチン坊のことだが、ケチが陰にこもらない開放的な言い方である。19歳で伊勢の沢庵売りから大阪の材木問屋に奉公して財をなした山田万治郎は、"しぶまん"と呼ばれながらも、昭和初年に、商工会議所の議員に推薦される。大阪商人の金銭への執念を捉えた表題作の他、大阪富商の町、船場に憧れと執念をもやした女の一生を描く『船場狂い』など、全5編を収録する。
感想・レビュー・書評
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殺人のないスリラー。
航空機事故は因縁?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
やっぱり山崎豊子はすごい!
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cd
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長編作家、山崎豊子氏による短編集。長編はずっしりと重いテーマの作品が多いが、短編はどんな小説になるか、興味深かった。収録されている5編はどれも昭和33年ごろに書かれ、文藝春秋などに掲載されたもの。
短編はすべて大阪が舞台となっている。関西出身でないと書けないであろうという、かなりディープな大阪弁で語られている。『船場狂い』では、船場という戦前栄えた商家が並ぶ地域の慣わしなど、面白かった。また、『遺留品』には、二十年後に彼女が手掛けることになる大作『沈まぬ太陽』を予想させる箇所があり、驚いた。読後、ほのぼのと感じる人もいるだろうが、私は強烈に胸が痛んだ。
どの作品も、読み始めると先が気になって本を置けなくなる。 -
山崎豊子短編集
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浪速の意地
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全5編、いずれも読み切り小説ならではの軽妙さと爽快さが込められている。
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どの短編も話がうまく、簡潔で読後感が良かった。