ローマ人の物語 (14) パクス・ロマーナ(上) (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2004年10月28日発売)
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カエサルの後継者に指名された美少年も、既に40代。カエサルの

養子となり、アウグストゥスの尊称を賜り、以降、この名で呼ばれる

ことになるオクタヴィアヌスは元老院が継続を望んだ共和制への

復帰宣言をする。

属州も含め広大になったローマ帝国の政体としては、もはや帝政

に移行するしかないと改革を目指した養父カエサルの遺志を捨て

たような宣言だ。

アウグストゥスのこの宣言感激した元老院は彼に「ローマの

第一人者」の地位を認める。

しかし、アウグストゥスの共和制復帰宣言は帝政への布石で

あった。

不要になった権力を放棄するのと引き換えるように、新しい

権力を手中にする。それは、直ぐに役立つものではなくとも

先を見る目を持ったアウグストゥスには後々必要になるもの

だった。

元老院の目を欺きながら、着々とカエサルの目指した改革

路線を踏襲するアウグストゥスはなんとしたたかなのか。

少年の頃、元老院派の代表格でもある年長のキケロに「父」と

呼びかけ手玉に取っただけはある。笑。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史(世界)
感想投稿日 : 2011年8月10日
読了日 : 2011年8月10日
本棚登録日 : 2011年8月10日

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