カエサルの後継者に指名された美少年も、既に40代。カエサルの
養子となり、アウグストゥスの尊称を賜り、以降、この名で呼ばれる
ことになるオクタヴィアヌスは元老院が継続を望んだ共和制への
復帰宣言をする。
属州も含め広大になったローマ帝国の政体としては、もはや帝政
に移行するしかないと改革を目指した養父カエサルの遺志を捨て
たような宣言だ。
アウグストゥスのこの宣言感激した元老院は彼に「ローマの
第一人者」の地位を認める。
しかし、アウグストゥスの共和制復帰宣言は帝政への布石で
あった。
不要になった権力を放棄するのと引き換えるように、新しい
権力を手中にする。それは、直ぐに役立つものではなくとも
先を見る目を持ったアウグストゥスには後々必要になるもの
だった。
元老院の目を欺きながら、着々とカエサルの目指した改革
路線を踏襲するアウグストゥスはなんとしたたかなのか。
少年の頃、元老院派の代表格でもある年長のキケロに「父」と
呼びかけ手玉に取っただけはある。笑。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史(世界)
- 感想投稿日 : 2011年8月10日
- 読了日 : 2011年8月10日
- 本棚登録日 : 2011年8月10日
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