これは真っ二つに意見が分かれる作品ではないだろうか。共感するか、
反感を買うか。私は反感を買っちゃった方なのだけれど。
マガジンハウスが「平凡出版」という会社名だった頃、アメリカの文化と
商業主義を日本の青少年に蔓延させた雑誌があった。それが著者も
編集者として参加した「popeye」だ。
その雑誌へのノスタルジー満載である。「コラム」を定着させ、有能なコラム
ニストを生んだ雑誌なのだが、本書は全編自慢話に溢れている。
○号は何々を取り上げ、誰々がこんな取材をし、売り上げ部数はこれこれで。
こんな話の繰り返しは退屈でしょうがない。所々に編集に関わった人たちの
人物評もあるのだが、著者の好き嫌いがはっきりと出ている。
「popeye」の姉妹誌で女性向けの「olive」という雑誌があった。こちらは既に
休刊になっている。専門学校時代、好きな雑誌を持参して好きなところを述べ
よ、という授業があった。その時に「olive」を持参した学生がいた。
彼女が述べた好きなところ。「汚いものが載ってなくて、女の子らしい雑誌
だから」。
自分の手元を見る。そこにはエロもスキャンダルも載っている「噂の真相」
が握られていた。女の子なんだけどなぁ、私も。爆
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
メディア
- 感想投稿日 : 2012年2月9日
- 読了日 : 2012年2月9日
- 本棚登録日 : 2012年2月9日
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