- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101288826
作品紹介・あらすじ
"VANが先生だった""気分はもう夏""僕らはこんなモノが欲しいのだ"-。1976年6月に創刊された"シティボーイのためのライフ・スタイル・マガジン"は、60年代の反米気分に嫌気が差した若者たちに熱狂的に受け入れられた。編集長・木滑とそこに集う風変わりな才能たちによって創り上げられた誌面は、今なお伝説として語り継がれる。日本の風俗を一新した雑誌の神話的内幕。
感想・レビュー・書評
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これは真っ二つに意見が分かれる作品ではないだろうか。共感するか、
反感を買うか。私は反感を買っちゃった方なのだけれど。
マガジンハウスが「平凡出版」という会社名だった頃、アメリカの文化と
商業主義を日本の青少年に蔓延させた雑誌があった。それが著者も
編集者として参加した「popeye」だ。
その雑誌へのノスタルジー満載である。「コラム」を定着させ、有能なコラム
ニストを生んだ雑誌なのだが、本書は全編自慢話に溢れている。
○号は何々を取り上げ、誰々がこんな取材をし、売り上げ部数はこれこれで。
こんな話の繰り返しは退屈でしょうがない。所々に編集に関わった人たちの
人物評もあるのだが、著者の好き嫌いがはっきりと出ている。
「popeye」の姉妹誌で女性向けの「olive」という雑誌があった。こちらは既に
休刊になっている。専門学校時代、好きな雑誌を持参して好きなところを述べ
よ、という授業があった。その時に「olive」を持参した学生がいた。
彼女が述べた好きなところ。「汚いものが載ってなくて、女の子らしい雑誌
だから」。
自分の手元を見る。そこにはエロもスキャンダルも載っている「噂の真相」
が握られていた。女の子なんだけどなぁ、私も。爆詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分も学生時代POPEYEを毎号のように買っていたので、その裏側に期待した。当時のスタッフの着想など目を見張る部分も多い。途中からなぜか読む気が失せたのは何故だろう?
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1990年代の後半に思春期を過ごしたのですが、みんな読んでいた雑誌は週刊漫画雑誌がほとんどでしたね。少なくとも軽佻浮薄で、健康的に遊べと兄貴のように少年をアジテイトする雑誌はなかったなあ。
新しくて、楽しいモノを紹介すれば、みんながそれを真似て、街の景色が変わる魔法のような力が、70年代の雑誌にあったのだ。そりゃあ、みんな読むよなあ。
「独断と偏見」という心躍る言葉を発明したのもこの雑誌。作っている方も読んでいる方もエネルギッシュで楽しそう。当時が羨ましくなってしまうくらい魅力的な本です。 -
80s、前半、僕が夢中になった物、あめりか、いしづ けんすけ、アイビー、VAN、ブレザー、ボタンダウン、スニーカー。
全部、この雑誌のおかげ。
スニーカーなど、オールスターハイカット・JACK PURCELL・ワンスター・ケイスイス・STAN SMITH・CTRY。全部ありました。何年か前、安かったのでSTAN SMITHを購入、東南アジアのバッタモン。がっかり。。。
ずいぶん前、この雑誌の一枚一枚をめくるたびにドキドキしていた。 -
良くも悪くも日本の若者文化を強烈に変えた奇跡の雑誌「POPEYE」。その創生期を描いた本書は初代編集長・木滑とその右腕である石川次郎を中心とした、風変わりな個性を持つスタッフたちの活躍をギャング映画に見立てた群像劇として描いている。この時代の雑誌というメディアのパワー、異常な熱量がすごい。スニーカー、テニス、サーフィン、BEAMS、吉田カバン....POPEYEがもたらしたものは今もしっかり根付いて当たり前の風景になっている。時代を作り出す役割を持つメディアは移り変わってゆき、そこにその時代の才能が集まるのは今も変わらない。今はWebにその地位を譲った雑誌というメディアが今後どうなっていくのかは興味があるが、そこにはもう人が集まらなくなっていくような気がする。
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ドクターましりとのエピソードはおもしろいかった
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POPEYEは、平凡パンチからの流れで創刊号も買いました。残しておけば……