「ガロ・デ・オーロ」。日本語にしたら「黄金のバンタム」と
呼ばれたエデル・ジョフレを倒した日本人ボクサーが
ファイティング原田である。
この表題だろう。ボクシング好きとしては無条件に手に
取る。それが失敗だった。なんだ、こりゃ?
『海賊と呼ばれた男』『永遠の0』等で今を時めく著者だし、
スポーツ・ノンフィクションだし、ボクシングだし。期待は
大きかったのだ。ちなみに、著者の小説は1作も読んで
いないのだが。
一体、何が書きたかったのだろう。ファイティング原田の
こと?白井義男からの日本ボクシング史?一向に分からぬ。
コピー&ペーストかと思うような、同じ文章の繰り返しに
うんざり。何度、投げ出そうと思ったことか。
なんでこの人がファイティング原田を書いちゃったんだろうな。
プロ野球で言えば永久欠番になるリングネームを持った、
日本を代表するボクサーなのに、書き手が悪いとこうも
臨場感がなくだらだらした作品になってしまうとは。
確かに今とは階級数も違うし、団体の数も違う。1年の試合
数も違えば、ラウンド数も異なる。だからって、「昔の世界
チャンピオンと今の世界チャンピオンでは価値が違う」と
いう貶め方はどうなのか。
まぁ、亀田一家のようにボクシング好きの私でも、好きに
なれないボクサーもいるけどさ。
もうちょっと試合の流れをきちんと書いてくれよ。それに原田
といえば減量苦と過酷なトレーニングだろう。その様子に
ほとんど触れていないもの。テレビ視聴率の話なんて、
どうでもいいのだよ。
あえて言おう。資料の寄せ集めである!と。
あーーーーっ。消化不良、不完全燃焼、期待外れ。この
口惜しさをどうしてくれよう。
これは今までスポーツ・ノンフィクションを読んだことのない、
百田読者のみに焦点を当てて書かれたのか?でも、これ
がスポーツ・ノンフィクションだと思って欲しくないんだが。
スポーツ・ノンフィクションってさ、たとえ1試合のみの描写
でもまるで読み手が会場にいるような、そんな臨場感が
あるものだと思うのだけどね。
うぅ…。上質なスポーツ・ノンフィクションが読みたいっ!
- 感想投稿日 : 2017年8月19日
- 読了日 : 2014年2月2日
- 本棚登録日 : 2017年8月19日
みんなの感想をみる