『純粋理性批判』を噛み砕く

著者 :
  • 講談社 (2010年8月5日発売)
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感想 : 7
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カントは難しい(らしい)。世界の中でも哲学好きなドイツでもカントは難しさの代名詞らしい。哲学者にありがちな難解にすることを意図として難解にしている哲学とは違い、カントは難しいことを語るがゆえに難しいらしい。
本書はひねくれたおっさんとしてではなく(その面も存分に出して入るが)カント研究者として、カントは実はやさしいということを示そうとするものである。

 ここでは特に純粋理性批判の中でも「純粋理性のアンチノミー」をテキストに論ずる。恐らくというか、間違いなくというか、カントをやさしく解説していることはわかり、また分かりそうになっていることも分かるが、やはり難しい。これを何の注釈もなく読むことは、ユニクロのヒートテックだけを着てエベレスト登山するものなのだろうなと思う。もちろん、そこで遭難することも経験のうちではあろうけども、登頂することは到底できない気がする。

 純粋理性批判はやがて読みたいと思ってはいるが、今は心や知識面の準備も含めてまだまだである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学
感想投稿日 : 2012年5月2日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年5月2日

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