寄生獣(完全版)(1) (KCデラックス)

著者 :
  • 講談社 (2003年1月21日発売)
4.23
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本棚登録 : 2043
感想 : 275
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とにかく女性が出てくる。主人公の周囲には、女、女、女。ちょっと不自然なほど。でもその女たちがまた優しく魅力的。特に田宮玲子なんて、夢に出てきそうなくらい。

こう書くとハーレムもののラブコメディみたいだけど、実際、年下の女の子から熟女まできっちり取り揃えられているから面白い。主人公のシンイチがパラサイトと戦う先々で登場し、交流を深める。彼女たちはみんなどこか母性的だ。主人公から一歩下がって、遠くから見守ってくれる。主人公の周囲はぽっかり空間があき、そのおかげで相棒のミギーが映える。

なぜこれほどに主人公との交流相手が女性であるかというと、それは「母」の存在がこの作品の大きなテーマだから。パラサイトと人間の根源、母親の存在はどこにあるか、作者はサブリミナルのように「女性」を登場させて示唆している。

一方、ストーリーは理詰めでスリリング。ミギーかっこいい。作者持ち前の酷薄なグロテスク描写が圧巻。無駄のない構成なのでダレずに一気読み出来てしまう。
SFとして、少年向けとして、本当に一級品の漫画。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF漫画
感想投稿日 : 2013年11月30日
読了日 : -
本棚登録日 : 2013年11月30日

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