読んでいると日常で多くが自分の意思では無い所で決まっている事を感じてしまう。
それは、他人が決めてしまっているというだけではなく、自分が決められないあまりにという事も含めて。
そして人生に対するふがいなさを感じる。
けれども読み進めていくうちにこの作品はそれでもそこにいても良いんだだと語りかけてくれる。
人生の本来的な無意味さを語りつつ、読み終わった時にはその無意味さにどれだけの意味を加えることができるのかという事の、おかしみと悲しみとそして大切さを心に置いていってくれていた。
《2003年のメイク・ラブ》
人は肉体的にも精神的にもどこかへ向かう手段を持っているのだけれど、「どこへ」が決められないあまり、その身体であれ魂であれは自分ではないものに流されていくのかもしれない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年12月14日
- 読了日 : 2012年12月13日
- 本棚登録日 : 2012年12月14日
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