エレーヌ・ベールの日記

  • 岩波書店 (2009年10月29日発売)
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感想 : 5

前方には不安しかない。私の頭には絶えず、自分には試練が待ち受けているという想いがある。私は消えたくない。私は絶えず考えているのだ。それは私が発見したことの1つでさえある。絶え間ない意識の中に自分がいる。「消える」と書くとき、私は自分の死を考えているのではない。自分の力が及ぶ限り、私は行きたい。強制収容所に送られても、戻ってこようと絶えず考え続けるだろう。神が私から生を取り上げなかったなら、そして人間たちが私の命を奪うことがなければ、それは酷い悪意の行為だから、神の意志ではなくて人間の悪によるものだという証拠だろう。もしそういうことになったら、この文章gあ読まれるなら、私が自分の運命を覚悟していたことがわかるだろう。私は前もって、それを受け入れているのではない。現実の重みの下で、自分が肉体的・精神的にどこまで耐えられるか、私にはわからない。でも、私が良きしていたころを知るだsろう。そして、この文章を読む人はまさにその瞬間、衝撃を受けるだろう。ずっと昔に死んだ作家が自分の死をほのめかすのを読んだ時に、私がいつも衝撃を受けたみたいに。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ユダヤ
感想投稿日 : 2017年12月3日
読了日 : 2017年12月3日
本棚登録日 : 2017年12月3日

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