欧洲紀行 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社 (2006年12月9日発売)
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感想 : 2

昭和11年にこれだけの欧州旅行ができるというのは相当な身分だったのだろう。
地中海に入ってくると旅客の心理が英語からフランス語になってくる。
人間はなんと深すぎた努力をしてきたのだるお。
日本人は何も畏れることはない。
智慧の低級な者でなければ酔っ払わないという見解を持っているからフランスには居眠りと酔っ払いはいない。
フランス人は笑うことが非常に少ない。笑う必要を感じぬだけの言葉があるからだ。まだ日本は笑わねばならぬ。笑う門には福が来ないのだ。
何よりもまず生きることだ。新しい文学はつまらなくてもかまわない。
日本の非文化的なところは、知識階級の中に日本を嫌う人間の多いことだ。私は何より日本にとって重要なものは自信だと思う。
文化国が文化国であることの最大の理由は、その国の伝統にあるのではないか。それ以外に文化とは何ものでもない。およそ愚劣な話の中で文化を退ける知性ほど無意味なものはない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ヨーロッパ
感想投稿日 : 2009年9月7日
読了日 : 2012年10月7日
本棚登録日 : 2009年9月7日

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