斑鳩王の慟哭 (中公文庫 く 7-22)

著者 :
  • 中央公論新社 (1998年9月1日発売)
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本棚登録 : 103
感想 : 13
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おそらく、とても丁寧に歴史を追っていて、
そこに筆者の捉えた人物像を織り交ぜて描いているのだと思う。
今まで詳しくなかったこの時期の登場人物を覚えることができた。

でも物語としてはそんなに面白くはなかった。
人物の形容が最初から最後までずっと一緒でくどかった。
物語の序盤に用意された人間関係から、
変化が乏しいまま終わってしまった。

厩戸は政治家であることと仏教者であることの板挟みのまま、
山背大兄王は父を越えられないことを悩んだまま、
間人皇后は自分の薄幸を恨んだまま…
そういった葛藤などが、単調に説明されるだけではなく、
もう少し人物関係のエピソードのなかで読みたいと思う。

小説として読み進めるには少し体力がいる作品でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(飛鳥・奈良時代)
感想投稿日 : 2012年8月11日
読了日 : 2012年8月10日
本棚登録日 : 2012年8月10日

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