ビジネス界で著名な二人が、日本・欧米企業の成功体験に基づき、日本企業が、これから世界でどのように戦っていけばいいかを指し示した指南書である。
もともと月刊「VOICE」誌上での両氏の対談をきっかけに、構成を大幅に見なおして互いに加筆・修正を施し、まとめられたものだ。
だから本書最大の特徴は、良くも悪くも、著者二人が、それぞれの観点からキャッチボール形式で話を展開させている点にある。
ただし、意見を対立させて話を昇華させていくディベートというよりは、「そうそう、そのとおり。僕もそう思う。なぜなら・・・」というように、ほぼ同じ主張に対して、二人がそれぞれの根拠を述べ、話を広げていく・・・そんな感じだ。
で、気になる”ほぼ同じ主張”・・・というやつだが、それは本の帯にもあるように「アメリカ型はもはや古い!」ということを指している。
ところで、先ほどキャッチボール形式とは言ったが、両氏の話が、気持よく噛み合って流れているように感じなかった。その理由だが、一つには、やはり別雑誌(VOICE)向けの記事が基になっているせいだろう。そしてもうひとつには、お互い、それぞれの視点で言いたいこと、引用したいことなどが一杯ありすぎたのだろう。話の展開のさせ方に、しばし強引さを感じることもあった。
いずれにせよ、繰り返しになるが、両氏の主張は、実際の企業の成功事例をはじめ、ハーバード・ビジネスレビューに載るような世界の権威ある専門家たちの考え方などをベースに展開されている。
つまり、この本を読むメリットは、たった200ページで、日本企業に求められる・・・いや日本企業がとるべき経営戦略のヒントを得ることできるということではないかと思う。
多忙を極め、経営戦略に関わる最新本を何冊も読んでられない経営者には、知識を吸収し、頭を整理するのに、うってつけの本となるだろう。
(書評全文はこちら→http://ryosuke-katsumata.blogspot.jp/2012/09/blog-post_23.html)
- 感想投稿日 : 2012年9月23日
- 読了日 : 2012年9月23日
- 本棚登録日 : 2012年9月23日
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