その日のまえに (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2008年9月10日発売)
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感想 : 65
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ひこうき雲

子どもにとって死ってどんな風に映るのかなぁというのを上手にかかれていました。

例えば親や兄弟、親友が死んでしまうかもしれない、死んでしまったとなれば、100%悲しんで泣き喚くことができるけれど、どちらかというと嫌いなクラスメイトの死(の予感)への恐怖や不安感は、どんな風に表現したらいいかわからない。
多分亡くなってしまうのだろうと子どもながらに皆察していて、決して茶化したりしてはいけないというのもわかっていて、
色紙には自分の言葉ではなく”書くべきこと”を書いてしまう。
死 って安易なテーマですけれど、本当に恐ろしい。恐怖ですね。日常と共にありながら、普段はまったくもって息を殺していないふりしてきて、本当に突然に現れますから。

その日のまえに・その日・その日のあとで

主人公の奥さんが病気で亡くなってしまう話。
 和美に「お帰り」と言ってやりたかった。昔 まだイラストレーターとしえ一本立ちする前、仕事帰りの和美を駅まで迎えに出て「お帰り」を言っていた頃のように。
ってところだけ何故か泣けました。
やっぱり 死 を扱う話って嫌いです。お前に言われなくても分かって生きてるよといつも思ってしまうので。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年6月24日
読了日 : 2020年6月24日
本棚登録日 : 2020年6月22日

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